広島大学ではJICAの草の根支援プロジェクトに応募して取り組みを開始している。現状では採択されるにはいたっていないが、グリーンアフリカファウンデーションを活動母体とした、ケニアでの取り組みは始まっている。下記のHPを参照いただきたい。
http://www.greenafricafoundation.org/
ケニアでの問題点及びその地域への協力が必要と考えられる理由
現地の状況は日本の技術支援や技術協力プロジェクトなどでは、基本的なインフラ整備に重点が置かれ、日々の生活の向上や環境の修復に多大な効果を挙げているが、このような生活環境の中で、女性の立場は過酷である。
協力が必要と考える理由等
日中は自給食糧生産のための農作業や家畜飼育があるほか、家事労働のための燃料(薪)集め、水汲みなど労働負荷は男性の1.3倍ほどになる。また、女性や子供が担当している燃料(薪)集めや水汲みは重労働であり、野外に潜む蛇や毒虫、マラリアなどの危険にも絶えずさらされている。
また、増加し続ける人口のために、燃料(薪)や水の調達は益々困難になり、居住地域の周りの森林地帯が使い尽くされ、遠くへ長時間の採取をやむなくされ、労働負担はますます増加されている。その結果、森林は伐採され、土地の侵食、砂漠化が進行していることも重大な問題である。
これらの女性のおよそ80%が 、日常生活の中で燃料(薪)調達と運搬を最も疲れる仕事の1つとしてあげている。また85%の人々が平均して8Km離れた水汲みが必要であり、実際の肉体的障害についても、 疲労、頭痛と関節と胸の痛みが報告され、特に高齢者においては顕著である。
世界保健機関(WHO)は、室内環境中で高濃度の粒子状物質に曝露することによって毎年280万人が死亡しており、そのうち90%が開発途上国であると推算している。
そして2000年9月のWHOの報告書(Bulletin of the World Health Organization)の中で、次のように述べられている。
「発展途上国の大半の人々は、家庭用燃料を、石炭、木材、糞尿、作物の残りなどに頼っており、不完全燃焼を伴う簡易コンロで燃やされる。その結果、女性や子供たちは、毎日高濃度の室内空気汚染物質に曝露される。室内空気汚染物質は、子供において、慢性的な閉塞性肺疾患や急性呼吸器感染症(ARI)のリスクを増加させ、発展途上国の5歳以下の子供において、最も重要な死亡原因となっている堅実な証拠がある。またさらに、低体重児出生、周産期死亡率、肺結核、鼻咽腔がん、喉頭がん、肺がん(特に石炭燃焼)のリスク増加に関連している堅実な証拠がある。ただし喘息に関しては、矛盾した証拠が存在している。これまで研究の大半は、直接的に曝露濃度が測定されておらず、観察上での研究であるため、リスクの定量化が不十分で、バイアスが含まれている可能性がある。しかしながら、室内空気汚染物質への曝露は、発展途上国において200万人を超える人々の死亡原因であり、世界中の病気の約4%が室内空気汚染物質への曝露である可能性がある。室内空気汚染は、研究及び政策立案において、さらなる努力が必要とされる、世界的に主要な公衆衛生上の問題である。健康影響に対する研究は、特に、肺結核や急性下気道感染症(ALRI)への関連性に対して強化されるべきであり、室内空気を汚染する燃料において、貧困性と依存性の相互関係に対するより明瞭な認識とともに、よりいっそう体系的なアプローチが望まれる。」
これに、燃料不足に起因する飲料水の煮沸消毒が不可能なことから、生水が様々な病気の原因となる。ちなみに国連の統計によると、ケニアの乳幼児死亡率は1985―1990が73(日本は5)、1995―2000が66(日本は4)であるから、飲料水の煮沸消毒が可能な燃料の確保が出来れば大きな救済が可能となる。
また、ケニア全体で絶対貧困層(一日あたり摂取量 2,250Kcal 以下)は、1992 年で 47%といわれているが、女性が世帯主の場合は53%となっており、1981年での調査(47%)より悪化している。これは男性からの仕送りがないとか、収入がないことが原因だといわれている。女性の自立の手段が貧困救済への近道となる。
本プロジェクトの目的は、女性や子供が過大な労働を強いられず、身近な生活空間の中で新しい換金作物の栽培が可能となり、やがては販売収入が得られることにある。
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